1ツイートくらいで解る、コンピュータ将棋の用語集です。

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  • ritomath氏の用語集をリファクタした記事を追加(著者の許可は得ています)
  • TODO : 単語のカテゴリ分けとソートをどうするか

将棋開発者がよく使う単語

評価値:現在何方がどれぐらい有利かを示した指標

現在何方がどれぐらい有利かを示した指標。評価値がプラスであれば手番側が有利、マイナスであれば手番側が不利であるという判定方法が一般的。0を互角とし歩1枚につき100点程度の点数をつけることが多い。点数については±200以内で互角、200~600ぐらいで有利、600を超えたあたりから優勢で、1200を超えたあたりから勝勢と言われるが、ソフト同士の対局だと400ぐらいからほぼひっくり返らない。 細かくは、評価値は指し手に対して付けられるのではなく、その局面そのものに対して評価値が付けられる。

Mate x:x手以内に詰む

Mate xでx手以内に詰むという意味。Mate 25が25手詰めではないことに注意。

評価関数

局面を評価して評価値を計算する機能。評価関数と言う場合、エンジンかバイナリデータ、つまりプログラムか生成データのいずれか、或いは両方を指す。多くはバイナリデータファイルである評価関数ファイルを指す。

KPPT

玉と玉以外の駒二つからなる3駒の並び(例:初期局面なら59玉、28飛車、27歩など)に予め点数をつけておき、 それらの和で盤面の評価値を決定する評価方法。詳しくはリンク参照。 WCSC28までは強豪ソフトの主流であったが、NNUEの登場によりその優位性を試されている。

NNUE

通称「鵺」。ニューラルネットワーク型の評価関数。オリジナル版はKP -> 512chのニューロン -> 32chのニューロンx2 -> 評価値という形式をとっている。ニューラルネットの非線形性と、差分計算による高速な計算が特徴。KPPTよりも強い評価関数と考えられている。 現在(2018年9月)公開されている将棋ソフトの中では、「やねうら王」とそのチルドレンのみに実装されているようである。

USI

USI(Universal Shogi Interface)プロトコル。

レート

強さのこと。将棋界ではイロレーティングがよく用いられている。 将棋倶楽部(人間同士の対局場)、floodgate(ソフト同士の対局場)、レーティングサイトで値が異なる。研究結果によると、将棋倶楽部>レーティングサイト>floodgateの順でレートが高く出やすいらしい。 例えばレートが対戦相手より30高いと54%程度の期待勝率。100高いと64%程度の期待勝率。300高いと85%程度の期待勝率。700高いと99%程度の期待勝率。詳しくはwikipediaを参照。

ソフトレーティングと将棋倶楽部24の対応関係

将棋ソフトのレーティングと将棋倶楽部24との比較はすでに調査がなされている。対応関係は非線形で将棋倶楽部24のレーティング300-2900の間では次の概算がなされている。(24レート)=-0.0003(ソフトレート)^2 +2.61(ソフトレート)-1948

探索部

膨大な局面変化の可能性がある中から、候補手を探す機能。主に評価値を頼りに探す。いかに効率よく手筋を取捨選択し、最善手にたどり着けるかが鍵となる。

全探索

全ての候補手を調べる探索手法。中終盤の将棋の合法手は100手前後あるため、全探索をすると4手先を読むだけでも1億局面程度読まなければならない。全探索は極めて効率が悪いため、将棋ソフトでは基本的に用いられない。

枝刈り

76歩、34歩、78銀のような精査する必要のない局面を読み飛ばすことで探索を効率化する手法の総称。実際の将棋ソフトはアルファベータ法やmin-max法のような全探索に近いものから(参考)、ヒューリスティックな枝刈りを組み合わせている。

pv :読んでいる手筋

読み筋のことをちょくちょくPVと呼ぶことがある。 - 例文「pvは83飛車82香です」→「ソフトは今は▲83飛打△82香打の筋を考えて居ます」

multiPV :読んでいる手の種類

multiPVはソフトを使って戦型などを研究するときによく出てくる用語。multiPVの後ろにある数と同じだけの候補手を出してくれる。 - 例文「multiPV 3で読ませると76歩、26歩、78金が候補になります」→「ソフトが良いと考えている上位3手は76歩、26歩、78金です」

Ponder:相手の手番中に読んでる手筋

将棋ソフト用語でのponderは、相手の手番中に相手の指し手を予想して読むことを意味する。ponderは当たれば相手の消費時間分だけ長く手を考えられる一方、外れればゼロから読み直しになる。それ故にponderが当たるか否かは勝負を決める上で重要な要素となる。

Depth

木探索の深さ。コンピュータ将棋では何手か先の局面を評価し差し手を決定するが,その読んだ手数に当たる。

Node数

ソフトが読む盤面の数。Node数が大きければ大きいほど棋力が高くなる。例えばやねうら王とQhapaq_wcsc28の評価関数を用いた場合、ノード数とレーティングの間には次のような関係式があるという調査がある。(ソフトレート)=295 log(ノード数)+1320。ここでlogは自然対数である。

学習

評価関数ファイルに学習をさせること。これにより同じ評価関数の方式でも、個性や強さの違いが生まれる。

学習部

評価関数ファイルに学習をさせる機能。パラメータや教師局面や元となる評価関数ファイルを入力して大量に自動的に学習させ、新たな評価関数ファイルを出力する。

ボナメソ

ボナンザメソッド。Bonanzaが使った学習方法。プロの棋譜を再現できる評価関数が良い評価関数であるという仮定に基づき評価値を調整していく。ボナメソが生まれた頃は評価関数は人間が手調整するのが当たり前だったため、ボナメソは革命的な存在であった。

雑巾絞り

深い読みで与えられる評価値や指し手に対して、浅い読みの評価値を一致させるようにすることで、評価関数を学習する手法。凄く雑に言えば読みが深くて強いソフトで読みが浅いソフトを教育する超高速指導対局

elmo絞り

雑巾絞りの進化形。評価値と勝ち負けの合議で手の良し悪しを求め、それを教え込む雑巾絞りの発展版。WCSC27で初めて公開されelmoの優勝の原動力となった。

教師局面

機械学習

追加学習

ライブラリ

公開されていて、中身を使って改造していいよって言ってるソフト達。ライブラリを改造したソフトで大会に出られるかはライブラリと大会の規約に依存するため注意が必要である。

チルドレン

ライブラリを使って参加したソフト達。ooチルドレンなどと呼ばれる(ooにはよくApery、やねうら王、技巧などが入る)。

stockfish

チェスの超強豪ソフト。オープンソースで開発されており、非常に細かいパラメタ調整を組織だって行っている。コンピュータ将棋の探索部はstockfishの影響を強く受けている。

コム将棋ウォッチャーがよく使う単語/スラング

floodgate

コンピュータ将棋ソフト同士が対局してる場所(リンク)。持ち時間の長い対局で強いソフトの棋譜が得られる。時々40コア80スレの化物みたいな奴が出てくる。

コンピュータ将棋 レーティング

uuunuuun氏が管理しているサイト、または、本プロジェクトが運営しているサイト。 将棋ソフトの自己対局データを集めることで、ソフトのレートを測定している。floodgateに較べると対局の持ち時間が短いが、使用ソフトの素性が明確になっているため、データとして解析がしやすいなどの特徴がある。

不利飛車

コンピュータ将棋であっても振り飛車の勝率は悪い。大抵のソフトは飛車を振ることで勝率が4割前後まで落ちる。

土下座

評価値が急転直下で変化するような展開を指す。会場は盛り上がることが大いが開発者はたまったものではない。

説得

対局しているソフトの意見が割れた時に使われる用語。将棋ソフトは対局相手に比べ自分を有利に評価することが多いため、ソフト同士による説得合戦はよく起こる。こういうときに将棋の強い開発者/観戦者が居ると重宝される

256手

コンピュータが持将棋の提案を上手く出来ないために、対局が無限に長引くことを防ぐために作られたルール。256手目まで対局が進んだら引き分けとする。256手目に詰まされたら後手勝ち。257手目に詰まされたら引き分け....にならなかった(ヒント:電王トーナメント、257手)。

ナイアガラ

評価値グラフが一転してナイアガラの滝のように急変動する現象。ガラ。多くは終盤で勝勢の評価値からの逆転負けを指す。

反省

ソフトが自分有利の局面評価を一変し、評価値を悪く捉え直す様。

IT関係の言葉

OS

オペレーティングシステム。linux,windows,mac,android,iosなど。OS毎に得意なことが違うため、開発者/ユーザの好みがソフトの特徴にも影響をもたらすことがある。よく用いられるのは速度が出やすいlinuxとユーザが多いwindows

GUI

Graphical User Interface(グラフィカルユーザーインターフェース)視覚的に人間に分かりやすくするためのもの。元来将棋ソフトは文字列のやり取りだけで盤面や指し手を表している(CUI)のだが、それでは人間が見づらいため、将棋神やねうら王、将棋所か、将棋GUIなどのGUIツールがよく用いられる。

CSA

Computer Shogi Association。コンピュータ将棋協会

WCSC

World Computer Shogi Championship 世界コンピュータ将棋選手権。PCのスペック制限なし。総力戦になる。

SDT

Shogi Denou Tournament。将棋電王トーナメント。ドワンゴ主催、コンピュータのスペックは固定。トーナメント方式は決勝リーグだけ。2017年の第五回を持って終了。