SFNNwoP は、近年のコンピュータ将棋で使われている NNUE 系の評価アーキテクチャの一種である。
公開情報では SFNNwoP1536 や NNUE_SFNNwoP1536 のような形で言及されることが多い。
少なくとも公開されている実験記事や配布案内では、水匠 や tanuki- 系の評価関数として使われていることが確認できる。
一方で、SFNNwoP という略称の正式な展開は、公開資料からは確認できていない。そのため本ページでは、略称の意味を断定せず、公開されている実装・運用上の情報を中心に整理する。
SFNNwoP は、評価関数 の実装方式として使われるニューラルネットワーク系アーキテクチャである。
探索アルゴリズムではなく、局面を数値化する評価器の側に属する。
公開されている記述では、単に SFNNwoP と書かれる場合よりも、SFNNwoP1536 と書かれる場合が多い。
1536 はネットワーク内部の幅や次元数に関係する命名である可能性が高いが、公開資料だけでは正確な定義までは確認できない。
将棋 AI の文脈では、SFNNwoP は NNUE の流れに属する評価アーキテクチャとして見るのが自然である。
実際に、水匠11β では評価関数タイプが NNUE_SFNNwoP1536 に変更されており、対応した実行ファイルを選ぶ必要があると案内されている。
このことから、少なくとも実験段階の名称にとどまらず、実用配布物のレベルでも採用されているアーキテクチャであることが分かる。
公開資料では、SFNNwoP に関する議論の多くが SFNNwoP1536 を中心に行われている。
tanuki- の 2025 年末から 2026 年にかけての実験記録では、ネットワークアーキテクチャとして SFNNwoP1536 を採用し、さまざまな条件で比較が行われている。
比較対象になっている主な項目は次のとおりである。
このため、SFNNwoP1536 は単なる名前だけでなく、学習・推論の両面で継続的に調整されている実験系列として理解すると分かりやすい。
公開された実験では、SFNNwoP1536 に対して 進行度 を使ったバケット選択が試されている。
この方式では、進行度 0.0 から 1.0 を複数のバケットに割り当て、局面の段階に応じて異なる重みを使い分ける。
公開記事では、玉の位置を直接使ってバケットを選ぶ方式よりも、進行度によるバケット選択の方が自己対局レーティングで有利だったと報告されている。
また、進行度の推定には、激指・技巧などでも使われたロジスティック回帰を用いると説明されている。
tanuki- の実験記事からは、SFNNwoP1536 を用いた学習・最適化について次の話題が確認できる。
HalfKA_hm 特徴量の利用このため、SFNNwoP は単独のアーキテクチャ名としてだけでなく、学習データ生成や最適化、推論高速化とセットで語られることが多い。
評価関数側で進行度バケットを選ぶ処理の概念的な例は、たとえば次のように書ける。
int SelectBucket(float progress) {
progress = std::max(0.0f, std::min(1.0f, progress));
return std::min(7, static_cast<int>(progress * 8.0f));
}
実際の実装はこれより複雑だが、局面の進み具合に応じて使用する重み集合を切り替える、という考え方の雰囲気はこのようなものである。
SFNNwoP の略称の正式な展開は、公開資料から確認できていないSFNNwoP と SFNNwoP1536 は区別して書かれていることが多く、同一視しすぎない方がよい